2025-01-01から1年間の記事一覧
「考えてみろ。私の実存はお前の中にしか無いんだ。お前のクオリアこそが私なんだ。」 気でも狂ったかのようにそう言う先輩に、私は忌避感を覚える。 先輩はまるで腐ったリンゴみたいにその腐敗を知らしめていて、酷く滑稽であった。 「それでも、だ。お前は…
罪を、数えなさ〜い☝️☝️☝️☝️☝️
「ねぇねぇ、フィラちゃん。何か数学の面白い話ってない?」 「……どうしたの、ミーア。いきなりだね。」 「何だか突然数学に目覚めちゃってさ!せっかくだし、難しいけど面白い話とかしてよ!」 「面白い話……それだったら、フレイ式の続無限波なんてどう?」…
「まるで宝石みたい。綺麗なのね?」 その言葉は私の脳を切り裂くかのように響いた。 これは現実じゃない。フィクション。いや、バーチャルではあるのかも。 私はこの日、初めて愛を知った。 耳が痛くて痛くてちぎれそうな冬の朝。私はいつもの様に鞄に教科…
最初にエイケーラは一等星より産まれ、雲に落ちた。 その後彼女はイアネコン(巨大な木、正体不明)の木を蔦り地上に降り立つ。 その頃地上ではイウヘーラがヴァイシーラの命により婚約者を探していたが、芳しくなかった。 それはさておき、地上に降り立ちエイ…
「ヴァイシーラ……さま?」 「えぇ。私こそがあなた達の崇める深神です。そして、今から貴女の主様です。」 深神はそっと聖女の顎に手を当てて、キスをする。 「あ……え……」 「行きましょうか。私達の愛の巣へ。……ね、聖女ちゃん。」 深神は茫然とする聖女に妖…
「ねぇ、玲。もし過去に戻れたら何がしたい?」 突然、親友の鈴にそう声をかけられる。 「過去に戻れたら?そうね……後悔してることをやり直す、かな。」 「後悔してること?具体的に何?」 あの日のことを思い返す。 あれは……そう。私がまだ幼かったときの、…
鶴が蛙にキスをした。 きっかけは単純だった。ただ、盲目の鶴が、人間と蛙を間違えた。 一つ、蛙はため息をついて鶴に問いかける。 「君がしたかったのは、本当にこれなのかい?」 鶴はふと涙を流し、蛙はただ呆れた様に、夜の寒空に声を投げかけた。 冬の寒…